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名 前:キャプテン・カイジ(Captain Kaiji) 通 称:カイジ 仇 名:キャプテン 年 齢:不明 登場作品:ガン×ソード 趣 味:航海 好きな物:海 搭乗機体:サンキュー海サイッコー号 (本編未登場) 備 考 潜水艦型ヨロイ【サンキュー海サイッコー号】の艦長。 「海…サイッコー!ビッグ!ワァーイルド!ソルティー!」 翔子や果林にとって文字通りの拾い主で命の恩人。
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カイジ:萩原聖人 古畑 :松本保典 作品一覧 か行 アニメ一覧:か行?
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賭博黙示録カイジ
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ニコニコ動画/カイジ 2007-11-26 忙しい人のための 逆境無頼カイジOP http //www.nicovideo.jp/watch/sm1200700 【カイジMAD】カイジ達を格ゲーに出してみた http //www.nicovideo.jp/watch/sm1555239 【カイジMAD】カイジ達を格ゲーに出してみた(その2) http //www.nicovideo.jp/watch/sm1610137 【手描き】ざわ☆すた 本編 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1553056 10分でわかるカイジ 組曲『ニコニコ動画』 を歌ってみたっ・・・! http //www.nicovideo.jp/watch/sm766107 週刊少年 「福本伸行」 Part 1/2 http //www.nicovideo.jp/watch/sm198747 週刊少年 「福本伸行」 Part 2/2 http //www.nicovideo.jp/watch/sm198784 爆笑問題のススメ - 漫画家 福本伸行 「思い切れ!のススメ」 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1170812 戻る Amazon ASINを正しく入力してください。
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登録日:2022/01/16 Sun 11 46 25 更新日:2023/12/13 Wed 17 28 51NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 1日外出録ハンチョウ KY エブリバーガー カイジ ゴリラ ハルヒ 側近 地下チンチロ 大槻 松岡禎丞 石和 石和薫 脳筋 菊田大輔 西嶋陽一 角刈り 豪快 賭博破戒録カイジ 載寧龍二 「来いっ、カイジ……! 班長を倒す前にオレを倒してみろっ……!」 石和とは、賭博破戒録カイジに登場する人物。 【概要】 カイジが送られた地下強制労働施設のE班に所属する労働者の一人で、沼川と共に班長・大槻の側近を務める。 後にスピンオフ作品、『1日外出録ハンチョウ』にてメインキャラとして活躍するようになる。 原作では苗字しか出てこなかったが『ハンチョウ』にて石和薫というフルネームが判明した。 CV:西嶋陽一(アニメ版)/松岡禎丞(1日外出録ハンチョウ) 【人物】 大柄で筋肉質、角刈りの髪型をした男。 見た目通り脳筋かつ豪快な性格で、大槻のチンチロにおいては3人の中で最初にサイコロを振る役目を負う。 まぁ石和に四五六賽の回収を任せるのは不安な気がするし カイジが大槻にビールをかけた際には真っ先に声を荒げていた。 沼川が接客や事務処理を担当する一方で、石和は荒事を任されているのかもしれない。 その割にカイジに四五六賽を押さえられた際にはあまり役に立たなかったが カイジがチンチロで青天井の勝負を挑んだ時は大きく張るように挑発した。 しかし、カイジは最初から大槻一人に狙いを定めていたため相手にされなかった。 ぶっちゃけ大した見せ場もなく、売店でのカイジへの揺さぶりや大槻との密談、チンチロでの駆け引きの描写がある沼川の方が印象に残りやすいと思われる。 下記の『ハンチョウ』で本領発揮といったところか。 【1日外出録ハンチョウでは】 思いつきで行動・発言し、空気の読めない発言や迷惑行為をする描写が多い。 具体的には他人の家のソファに勢いよく座る、喫茶店で靴下を脱いで寛ぐ、拗ねている沼川を余計に煽る、食事の際に何にでもタルタルソースをかける、蕎麦に葱を山盛りにする、ドリンクバーのジュースを全部混ぜるなど、子供のような言動が目立つ。 更に自分だけ違う料理を頼む、高級秋刀魚料理店で唐揚げを提案する、カルピスを原液で欲しがる、他全員がテレビに夢中になる中で一人だけ食事を続行する、と食事に関しては異様に我が道を行きたがる癖がある。 被害者の筆頭は沼川で、大槻ですら石和のガサツな性格やマイペースな行動に辟易することが少なくない。 仕事のやり方も結構雑なほか、チンチロの仕切りを放棄して勝手にC班の映画上映を観に行っていたこともある。 寝ている時も、イビキと歯軋りが酷く、寝相も悪いのか壁を殴ってしまい大槻の睡眠を妨げた事がある。 もっとも地味にイラッとさせるようなものが大半で、トネガワの海老谷ほど大きな問題は起こしていないが。 ただし、新年早々重機の上に登ってしまい黒服から懲罰を受けたことはある(*1)。 ただ自分だけでなく他人に対してもおおらかな面があるのか、時折「大人」な対応を見せることがある。 地下に戻ってきても熟睡して良い夢を見ている大槻を優しく見守ったり、他のメンバーが親知らずの治療をする石和を置いて焼肉を食べに行っても特に怒ったり咎めたりはしなかった。 大槻とは同じ幕末ファンということで1日外出時には一緒に名所巡りをすることもあった。 また釣りが上手く他のメンバーにレクチャーしたこともあり、この時は珍しく一目置かれていた。釣り場エフェクトが消えるとまたいつもの印象に戻ったが 字が綺麗という意外な特徴もあった。 沼川と共にフルネームが明らかになった回では「石和薫」という名前について、沼川は「どう見ても薫らない!」とツッコミを入れていた。 ちなみに石和は自分の年齢を忘れていることも判明した(実は沼川より年下)。 ブルボンドラフト会議では客受けとか関係なく自分の好きなエブリバーガーの販売権獲得を期待していた。 結果的に選外となった時は本気でショックを受けていた。 エンドレスエイト回ではハルヒポジションとしてループを引き起こす。 沼川や宮本は流されてしまうが、ループ脱出の決意を曲げなかった大槻のソーラン節で心を動かされ日常へと戻っていった。 大槻や沼川に比べ、地下に落ちる以前の経歴など不明な点が多い。 【上京生活録イチジョウでは】 大槻や沼川と同じく一条がスーパー銭湯へやってきた時にしれっと登場。 大槻が村上とサウナのマウント合戦をし、沼川がその横で普通にサウナに入っているのに対し、石和は一条が水風呂に入る前からそこにいた。 しかも一条が羽衣を纏って水風呂の楽しさに一歩近づいた瞬間に水風呂から上がり、その雰囲気をぶち壊してしまう。 しかしサウナの楽しみは心得ているようで、外気浴をしたときにはしっかりと整う事ができていた。 【映画版カイジでは】 一作目では載寧龍二、二作目では菊田大輔が演じる。 ゴリラから優男風のイケメンになった。 沼川は登場していない…というか、キャラとしては役どころを一人分で済まされた感じか。 こちらでは下の名前は「謙介」ということになっている。 「来いっ、アニヲタ……! 班長の記事の前にオレのを追記・修正してみろっ……!」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 性格が悪いってわけでもないがウザくてめんどくさいキャラという印象。そこが面白いが -- 名無しさん (2022-01-16 11 55 21) 何も考えてなさそうなウザキャラの癖して誕生会ループの主因。地下暮らしは流石に彼のキャラでもキツイようで -- 名無しさん (2022-01-16 12 29 08) ガサツなのは確かだが、海帰りや花見の班長をそっとしといたりと、地味に気も遣えるんだよなぁ。ガサツなのは確かだけど -- 名無しさん (2022-01-16 12 42 29) あれ?実写版は2作品目で俳優が変わってたの?見た目が原作と雰囲気が違う人が演じてるのが印象的だったが、きづかんかったわ -- 名無しさん (2022-01-16 12 52 00) ガサツだけどいいやつなのも事実 多分地下連中では上澄みのほうなんだろう 沼川と同じく -- 名無しさん (2022-01-16 16 41 52) ↑だからこそ地下生活に落とされたって言われても納得がいくな。悪人には絶好のカモだ -- 名無しさん (2022-01-16 17 45 11) 班長たちと組むようになった経緯も知りたい 同じ時期に落とされて、言うことはちゃんと聞くから手下に認めてもらったとかかな -- 名無しさん (2022-01-17 03 36 34) 基本的にウザいけどたまに良い所見せるから憎めないってのがなんかリアル まあグループ内に一人くらいこういう奴がいても面白いと思うわ -- 名無しさん (2022-01-17 05 31 10) 沼川の昔のコミュニティが掘り下げられるのに対して彼だけはあまりないんだよな -- 名無しさん (2022-01-17 14 45 17) 親知らず回のオマケ見る感じ「自分にも他人にもユルい」ってのがシックリくる。 -- 名無しさん (2022-01-17 18 36 04) 地味に育ちが良いのか、飯食う前にはほぼ必ず律儀に手を合わせてたりする -- 名無しさん (2022-01-21 18 14 39) 薫って名前もいい親に貰ったんだろうなって感じするわ、なんかやらかして勘当でもされたんかな -- 名無しさん (2023-12-13 16 22 53) ↑むしろ親がやらかして石和が借金を請け負ったとかじゃないかな。人がいいから遺産(借金)放棄ができなかったとか。 -- 名無しさん (2023-12-13 17 28 51) 名前 コメント
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「賭博堕天録カイジ」のカイジ(伊藤開司) 堕天召喚録カイジ 「召喚の鎖」 堕天召喚録カイジ 第1話 堕天召喚録カイジ 第2話 堕天召喚録カイジ 第3話 堕天召喚録カイジ 第4話 堕天召喚録カイジ 第5話 堕天召喚録カイジ 第6話 堕天召喚録カイジ 第7話 堕天召喚録カイジ 第8話 堕天召喚録カイジ 第9話
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賭博黙示録カイジ 【とばくもくしろくかいじ】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 プレイステーション 発売元 講談社 開発元 ウィル 発売日 2000年5月25日 定価 6,090円 プレイ人数 1人 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 徹底した原作再現(が仇に)意外に練られたストーリー全てはプレイヤー次第 少年マガジンシリーズリンク(*1) 概要 特徴 問題点 バランスの悪さ キャラゲーとしての問題 その他の問題点 評価点 総評 余談 概要 現在ではいわゆる「ギャンブル漫画」の代表作としても知られる、人気漫画『賭博黙示録カイジ』のゲーム化作品。 2007年に『逆境無頼カイジ Ultimate Survivor』のタイトルでアニメ化される以前の作品であるため、映像化に際してそちらの要素は入っておらず、タイトルなども原作準拠となっている。 原作の第1部「希望の船」で行われた作中オリジナルのギャンブルゲーム「限定ジャンケン」を再現している。 内容的には第1部終了後のスピンオフ的なもので、「カイジ達が再びエスポワールに乗船する」というifストーリーとなっており、原作第2部以降のストーリーには分岐していない世界観であることがわかる。 プレイヤーは原作の主人公であるカイジではなく、オリジナルのキャラとして参加する。 名前はゲーム開始時に設定が可能で、登場人物からは設定された名前で呼ばれることになる。 性格はカイジと比べると基本は悪人寄りな人物。ゲームが進むにつれて非情で打算的になっていくのが前提でストーリーが作られている感じがある。 ゲームの進め方によっては性格に多少の変化はあり、相手を罠に嵌めたり、徹底的に金を絞りとって「ここは戦場、騙されるほうが悪いんだ」と言い出したり、「ククク………」と笑いだしたりすることもあれば、「こいつを騙すのは気が引けるな…」と躊躇したりすることもある。 カイジは船の対戦者のひとりとして登場し、リピーター(過去に限定ジャンケンに参加した人物)としていろいろなアドバイスをしてくれる。 常に覚醒している状態であり、原作のようなコミカルな描写は皆無。敵に回すと苦戦は免れない。 特徴 ゲームを始めると『ドラクエIII』のような性格診断が始まる。 選択肢を選んでいくだけなのだが、異様にホラーめいた演出になっており、本当に『カイジ』のゲーム? と思ってしまう。 これによって決まる主人公の性格もゲーム内でのイベントに影響するため、イベントを回収するためには周回プレイではなく新規にプレイし直す必要もある。 基本ルールは以下の通り。細かい変更点はあれど、原作から大幅に変更された部分は無い。 参加者それぞれに「星」3つと、グー、チョキ、パーの3種4枚ずつ、計12枚のカードが配られる。 カードを1回につき1枚使用して、他の参加者とジャンケン勝負をする。勝つと相手の星を1つ奪える(あいこは星の移動は無し)。 まず対戦相手を探し、承諾を得た上で船内にあるボックスを挟んで向かい合う。断られることもあり、その場合は勝負できない。 次に「チェック」で自分が出すカードを確かめ、「セット」で伏せて提出し、「オープン」で同時にカードを公開。 使ったカードは結果に関係なくボックスに開いている穴に投入、即座に回収・集計される。船内の電光掲示板には「残り時間」と、「それぞれのカードが会場全体であと何枚ずつ残っているか」がリアルタイムで表示される。 開始前に主催者は軍資金を貸してくれる(利息あり)。この金の使い道は自由であり、他の参加者から双方合意の上で星やカードを買ったりもできる。後に判明することだが、制限時間終了後に参加者同士で星を売買するための時間が設けられており、ここでの購入資金にもなる。 全てのカードを使い切った時点で、初参加者は星を3つ、リピーターは4つ維持できれば勝ちとなる。ただし本作内では、どちらであろうと全員3つであがれる(*2)。 星がなくなる、制限時間終了時にカードを使い切れていない、星の売買タイムが終わっても星が規定に満たない、その他禁止行為(カードを燃やすなどして廃棄するなど)を行う、などで負けとなり、別室送り(本作ではバッドエンド)にされる。 原作では別室送りになっても売買タイムで他者が星3つを提供してくれれば解放されたが、本作主人公には助けてくれそうな相手がいないからか即ゲームオーバーとなる。 ミニゲーム(強制労働)窓拭きについて セーブルームでセーブした後に(勝負の結果にかかわらず)「途中データを保存して終了」をせずに、リセットや電源ボタンを押して終了すると、高層ビルの窓拭きをするミニゲームイベントが必ず発生する。(*3) 強制労働をこなす事でセーブルームで行ったセーブまで戻る事が出来る。強制労働を拒否した場合、セーブルームで行ったセーブが消え、最後に行ったセーブ(各章の前に行ったセーブ)まで戻される。 各章はわりとこまめに区切られているので、セーブルームで行ったセーブを消されても被害はほとんど無い。また、このイベントはシナリオの事前に行うセーブにおいては起きないので遭遇する事は少ない。原作には「人生にやり直しなどない」「勝負に後戻りはない」という言葉があるが、ゲーム内ではリセット&ロードで章ごとにやり直す事が出来るので、この言葉は再現されていない。 原作ではカイジを含め103名の参加者が乗船していたのだが、このゲームでの参加者の合計は81名と原作に比べるとやや少なめ。 しかも実際にゲーム中で会うことができる参加者は主人公を含めるとたったの58人だけであり、内一人はゲーム開始早々に別室送りとなってしまって話しかけることもできない(*4)。 さらに参加者の中に一人だけ、主人公らのような負債者ではない主催者側が差し向けた者がいるので実質的な参加者は80名となる。 対戦キャラクターたちは、船井・カイジなど一部を除いて本作オリジナル。しかし、明らかに他の福本漫画から顔のデザインを流用している者が多い(特に『銀と金』キャラの登場頻度が高い。他に『天』や『アカギ』のキャラも)。ある意味、出版社の枠を超えた福本作品オールスターゲームといえるかも? 傾向として、原作で強いキャラは本ゲーム内でも強めになっている。 安藤や古畑といった印象的だった人物はリピーターとして乗船できなかったのか登場しないが、明らかに彼らをモチーフにしたような性格の人物が多数登場する(*5)。 また、実際に原作の限定ジャンケンで登場していた名もなきモブキャラも、名前を与えられて何人か登場している。そのためかリピーターになっている場合が多い。中には絶望の城編以降に登場したモブキャラさえもいる。 原作では若者がメインのクルーズという設定だが、このエスポワールの平均年齢はかなり高い。40~50代の人間が多く、中には70を越えている高齢者も存在する。上記の通り福本作品からキャラを流用していることも遠因だが、原作とは少し違った雰囲気となっている。ちなみに主人公は年上と思われる人物には敬語で話しかけるため、20~30代の若者であることが読み取れる(*6)。 主人公には運、勘、精神状態のステータスがある。 運は運否天賦の勝負に作用し、勘は高い状態だと相手の策に対して「待てよ…」等のヒントがでて看破しやすくなる。精神状態は負けがこむと焦った状態になり、時間が早く進むようになる。これらのステータスはガムやタバコといったアイテムを使うことで変動が可能。 基本的な進め方は他の参加者に話し掛けて情報を集め、それを手掛かりとした上で勝負を挑むという流れ。話しかけただけで雑談として情報をくれる人物もいれば、金と引き換えに情報を売る情報屋も存在する。 情報をどう扱うかは勿論、そもそも情報は正しいのかどうかも考えなければならない。ちなみに主人公のカード情報も流されているらしく、明らかにこちらのカードのバランスを読んでくる参加者もいる。 主人公は他キャラとの対戦を通じて、さまざまな「理論」を習得していく。これを用いて対戦を優位に進めることができる。 相手の手持ちカードの偏りから次に出す手を予測する「バランス理論」、アイコ引き分けでのカード消費を提案する「引き分け戦術」やゲーム全体のカード残数の比率から有利なカードを推測する「確率論」など原作にあった理論の他、覗き見している相手の裏をかく「カード二枚重ね」などオリジナルの理論(*7)もある。 「引き分け戦術」を提案しておきながら裏切ってそれに勝ってしまう外道プレイももちろん可能。 他にも「集団に参加しないかと勧誘される」「異様な勝ちを重ねる参加者が現れ注目を浴びる」など、原作にないイベントが次々と発生。従うか、拒否するか、あるいは従うふりをして裏切るか、すべてプレイヤーの自由である(裏切っても特にペナルティはなく、普通にゲームを続行できる(*8))。 クリア、もしくはゲームオーバーになると最終評価が下される。項目は不運度、ギャンブル度、不真面目度、破滅度と総合評価の五つ。大抵は低か高だがプレイによっては無、悪、極といった評価になる。 敗北条件を満たしてゲームオーバーになると別室送りになるのだが、別室の内容が原作とは大きく異なる。 + 別室のネタバレ 別室に連行された先に見えるのは手術台。抵抗するも主人公は台に磔にされ手足を拘束され、医者らしき人物が現れてそこで暗転… というムービーが入る。 ちなみにこのゲームでは売買タイムはあるが別室の救済については一切言及されておらず、別室の人物を助けることは不可能。 問題点 原作通り、かなり難易度が高い。 ざっと挙げるだけでも、カードの使い方を様々な状況に応じて考え、ゲーム中で手に入る現金の使い道を探し、相手の裏をかく心理読みが必要とされる。 こういったものが苦手なプレイヤーには絶対向いていない。会話の最中でも時間が進むため迂闊に長考もできない。 先述の「理論」や相手のカード情報を持っていても、それを実行可能なカードを持ってないとどうしようもない。 バランスの悪さ ただ難しいだけならまだしも、このゲームの肝である「心理戦の醍醐味」を半減させる仕様になってしまっている点が多く、欠点となっている。 明らかにプレイヤーを殺しにくる罠が多い。 代表例を挙げると、まず船井とのイベント。ゲーム開始と同時に「あいこ引き分けによるカード消費」を必ず持ちかけてくるのだが、これは原作を読んでいるプレイヤーに対しての罠。 原作では船井は、あいこのカードを出すと思わせておいて、あいこのカードに勝つカードを出して勝利する。本作の勝負において、原作を読んでいたプレーヤーは取り決め通りにあいこのカードを出せば負けると思ってしまうので、あいこのカード以外のカードを出す。よって船井はあいこのカード以外の2枚のカードに勝てるカードを出せば必ず引き分けか勝つ事が出来る。心理的な抵抗をうまく突いた作戦である。裏の裏をかいてくるので、こちらが裏をかこうとすると負けてしまう。 プレイヤーが勝つと、船井は「わざと負けてくれ」と言い出す。勿論さらに追い打ちをかけることも可能である。 ちなみに2周目以降はどんな手を出しても一度目はプレイヤーが必ず負けるようになる。さらに周回プレイを重ねると両方とも必ず敗北するようになり、星1個でのスタートを強制される。 他の例も挙げると、前述の通り主人公は理論(戦術)を習得できるのだが、理論を使用すると必ず負けてしまう場合がある。 ネタバレを避けて説明すると、覚えた理論を試しに使うと「馬鹿め! そうくると思ってたぜ!」とばかりにハメられることがある。序盤で発生する場合もあるため、負けると一気に追い込まれる。 福本作品では自分の直感を信じることで勝利し、逆に理論や理詰めの戦術に頼り過ぎた結果、苦杯を飲まされるという展開が多い。このゲームでもその傾向が強いので理に頼らない運否天賦の勝負や「あいこ勝負」ばかりが安定した勝利方法になってしまいがち(*9)。 発生した時点で絶対に星や金を失うことが確定してしまうイベントがあり、絶対に負ける勝負を強要される。 前述の船井との周回勝負は絶対に避けられず、後述の理不尽な問題点にも含まれるが、終盤でのルート分岐次第では少なくなったカードの使い方によって最後に必ず負けてしまうこともある。また、中には選択肢を間違えた時点でそのままゲームオーバー直行という理不尽極まりない危険なイベントもいくつか隠されている。 さらに、主人公を無理矢理にでも星2つ以下にさせようとするためか、賭ける星の数が足りないのに強引に自分の星以上の大量の星を主人公に賭けさせて勝負をさせようとする相手もいるので理不尽。その提案にあっさり乗ってしまう主人公も不自然である。 原作を再現した甘えが許されない仕様だという解釈もできるが、それを踏まえても理不尽に感じられる。 一度攻略法を見抜いてしまえば確実に勝つことができる。手の内の読み合い、頭脳戦ができるのは初見時のみ。ゲームの性質上仕方ないことではあるが、相手にハメられてゲームオーバーになり、もう一度勝負を挑んであっさり勝利… を繰り返すというパターンになってしまいがち。 ステータスは勝てば勝つほど良くなり、負ければ負けるほど悪くなる。このため、勝ち続ければ高ステータスによって勝負がどんどん楽になり、負ければ低ステータスで余計に苦しくなるという悪循環。この点でもバランスが悪い。原作を、いや現実のギャンブルを再現したといえなくはないのだが…。 特に「勘」による補正が強すぎる。MAXの状態だと「ほとんど答えをバラされるようなヒント」がでることもあり、場面によっては「間違えると痛手を被る選択肢を強制的にスキップする(正解を自動的に選ぶ)」という「考える余地? 何ソレ?」的な補正まで存在する。 原作でもカイジが超常的なレベルでの気付きを発揮することはあるが、プレイヤーがカイジではないゲームでそれをやられても置いてきぼりになりやすい。 勝負後、勝ち負けにかかわらずトリックの種明かしをされてしまう。相手、もしくは主人公が「こういうことだった」と細かく説明してしまうケースが多く、「何故負けたのか?」「どんなトリックを使っているんだ?」と推理する楽しみが薄れてしまう。 上記の仕様が組み合わさり、実際にやってみるとハメられてすぐにゲームオーバーになるか、連勝して星を手に入れすぎてしまい、負けてもいいやという緊張感のない戦いになるかという、両極端なプレイになりやすい。星を失う機会、得る機会のバランスが取れていないのだ。このせいで心理戦の醍醐味も大きく削がれてしまう。 勿論「カードを使いきらないとあがれないのでいくら星を持っていたところで安心できない」という点も原作通りなので、カードが限られる終盤で連敗して一気に追いつめられる可能性もある。のだが… 実際には終盤戦だと「勝敗を度外視してカードを使いきるため勝負する」というプレイになりがち。他者にカードを売却する等、一気にカードを消費する方法は基本的に存在しない。 開始時に貸し付けられる軍資金の使い道が少なく、あまり役に立たない。情報を購入するのに金を使うということはあるが、それを除けばシナリオ内で一度も金を使わないこともザラにある。まともな使い方は売買タイムで星を買うのと後述のカジノで遊ぶためくらい。 原作では「金の使いみちは自由」とされていたが、本作ではカードなどを買うことは基本的にできないし、反対に自分から情報やカードを売ったりすることもできない。星の購入・売却もイベント以外だと最後の売買タイムだけで、任意に購入や売却は不可能。このため金を消耗する(奪われる)機会はそれなりにあるものの、稼ぐ手段となるとほとんどない。 しかも原作よりもさらに暴利になっているので余計タチが悪い(原作だとゲーム終了までに1.4倍になる程度の金利がついていたが、本作だと終了時にほぼ2倍になる)。リピーターならともかく、初見プレイで原作のカイジのように1000万も借りると借金をチャラにしてのクリアは極めて困難。ほとんど金は重しである。 キャラゲーとしての問題 原作通りに参加者のカードの総数は掲示板に記録されているのだが、特定の対戦相手のカードの内訳が交換もしていないのに勝負の最中で明らかに変化している場合がある。 何が問題かというと、例として相手がカード一枚しか持っていないのにこちらがどんなカードを出そうとも負けになる、もしくはあいこにしてくるなど複数カードを持っていなければ不可能な、対戦相手にとって都合の良い勝負が多く、情報無しで純粋に手の内を推理するという駆け引きができない。 さらに一部の終盤ルートでは、この掲示板の記録自体が一度減っていたはずのものが突然増えているというおかしな現象が起きている場合もあるため、情報としてはあまり活用できないどころか、ゲームそのものが成り立っていない矛盾した状況になってしまっている。 追加要素である賭博場が、微妙に船内の雰囲気に合っていない。 そもそも生死を賭けた鉄火場だというのに限定ジャンケンから離れて金稼ぎをしているというのが世界観にそぐわない。星を確保してカードを使い切った者が参加できるのならまだわかるのだが、実際のゲーム内では残り時間が少なくなると賭博場が閉鎖されてしまう。完全に余興として楽しむことは出来ない。 初めて賭博場に入る際には黒服が出すクイズに答える必要があるが、何故か和風ギャンブルの話題が多い。 そして賭博場で行われるのが「丁半」と「チンチロリン」。洋風の船内の雰囲気にあってない。 一応、「チンチロリン」は原作の続き部分で行われるギャンブルであるし、原作再現と言えなくもないが(*10)。 ちなみにバグで所持チップの枚数が9999枚(9999万円相当)に増殖している事が稀にある。 増えたチップはそのまま換金できるので、そうなってしまえばありえないような大勝が確定してしまう。 + その他、ネタバレ含めたシナリオ上の理不尽・不自然な部分 読心術(超能力)を使うと自称する相手に勝つ方法が「シャッフルして自分で自分のカードがわからない状態で出す」というもの。つまり超能力が存在することは肯定されている。それどころか主人公と超能力者が超能力を介して心で会話する場面まである。原作の世界観にそぐわない。 没データの中には種明かしとして「対戦相手に催眠術をかけているらしい」、という会話がある。実際にこの勝負で挿入されるムービーでそれらしい動きをしているので読心術よりは納得ができるトリックであるのだが、採用はされておらず結局はオカルトな話になるのでやはり原作の世界観には合わない。 星を一つや二つ失うだけならまだしも、終盤ではルートに乗った時点でゲームオーバー確定(絶対に相手に勝つことが不可能で最後のイベント勝負で星と金をすべて失う)になるものがある。 なお、設定のミスかこのルートのイベントチャートに一つだけ番号が欠けている部分がある。そのため回避策があるかと思いきや、実は何もない。シナリオ上最後の対決に勝てば確実に借金返済で、星も余裕がある状態になる…というルートなのに理不尽(*11)。 そしてこのルートのギミックは「それは反則すぎるだろ」とコントローラーを投げたくなるレベルである。それは対戦相手の正体が主催者側からの刺客(いわゆるジョーカー)であるというもの。 この対戦相手は「カードを使い切らずに時間切れとなった場合は敗北」というルールを覆せる立場にあることを仄めかす。いくらなんでも理不尽すぎる。 この人物によって主人公以外にも多くの参加者が別室送りにされる。こんなあからさまなやり方をしたら次回以降の乗船希望者が居なくなってしまうはずだが…。 福本作品では敵側または主催者側が反則的な手段を使って有利に立ち回るものの、裏をかいて逆転勝利に辿り着く…という展開が多いため、この対戦相手に勝つことが出来ないのはユーザーからすれば理不尽すぎるし、非常に心残りである。 強敵相手に対策トリックを立てた協力者に、手に入れた星を暴力で奪われるというイベントがある。 控室という目の届きにくい場所とはいえ、これが通ったらゲームのアイデンティティの崩壊である。トイレの中にまで目を光らせている黒服に制止されそうなものだが、救済はない。 まあ、原作でもカイジは最終局面で裏切った協力者に顔面パンチと蹴りを入れ、もう一人にも張り手をくらわして金と星を奪った(しかもこちらは黒服の目の前で堂々と)のだが(*12)。 原作内容から判断すれば、(悪く見積もって)暴力そのものは禁止されてないにしても、それによる星のやりとりは無理なはずである。 この他にも「ある人物が突然気がおかしくなってカードを燃やして別室送り」になったり、「カードを食べてしまい」別室送りになったり、シナリオによってはそのカードの破棄が「実は芝居だった」という展開になったり(*13)。と、ストーリーを作るために無理矢理で不自然なイベントがいくつか発生する。 これに関連して中盤で強制発生する上記の「集団への参加の勧誘」というイベントでは「金はもらうが参加者の情報を交換し合う」と提案者に言われるのだが金が足りなかったり、断っても「金はいらないから情報だけは必ず交換し合う」と結局は強制的に参加させられてしまい、金を払った場合と展開がまったく同じなので意味がない。 別の人物からも勧誘されるイベントはあるが、こちらは任意に断ることができるのに何故か強制イベントの方は断れない。 終盤のストーリーはこの勧誘イベントを軸にした構成となっており、仮に断ってしまうとそれらのストーリー自体が成り立たなくなってしまうために強制しなければならず仕方がない部分もあるが、きっぱり断った場合のパターンも用意すれば良いだけの話なのでストーリー構成をしっかり練ってもらいたかった所である。 終盤では追い詰められた主人公がカードを廃棄し、黒服に見つかって別室送りにされるというイベントがある。 このイベントはルート分岐次第では発生せず場所もトイレと限定されているので滅多に拝む機会はないものの、選択肢を間違えたその時点でゲームオーバーになってしまう危険なイベントである。 なお、このイベントは設定ミスかイベントチャートにも入らないため、余計に存在に気づき難い。前述の設定ミスで欠けている部分で使われればちょうどイベント数も合うので、やはり開発中の設定ミスであったことが覗える。 そしてそのイベント内容とはカードの買占めを提案してきた人物に騙されてしまい、金を全て奪われ大量の不要なカードを押し付けられてしまうというもの。それによって追い詰められた主人公がカードをトイレに流して廃棄してしまう…という原作にもあった要素でもある。 カード買占めは原作にも存在した要素で「カード買占めが自分もできるのか?」と期待したプレイヤーを一気にどん底へ落としてしまう。他人の話を簡単に鵜呑みにしてはいけないということなのだろうが、提案者は主人公の話もまともに聞かず金を無理矢理奪った挙句に不要なカードを全部押し付け、最終的には賭博場へ逃げてしまうと、理不尽極まりない。 選択肢前の会話内容から胡散臭いことは分かり、最初から主人公を騙そうとしているのは見え見えなので回避自体は簡単なのが幸い。 なお、この人物はイベントよりずっと前のゲーム序盤から姿を見せており、勝負をすることはもちろん、実はキレ者であるという情報を知ることもできるのだが、その情報を主人公はまったく活かせておらず、むしろ初対面のような状況になってしまっている。 騙された後も主人公は相手が最初から自分を騙そうと誰かの策謀で待ち構えていたのではないか?と洞察する場面になるのだがそのまま別室行きになるので、ストーリーには活かせていない。押し付けられた大量のカードを誰かに頼んであいこ消費してもらうということもできず、自分にはもう廃棄しか道はない!と強引に決めつけてしまい、自分自身がカード廃棄をするというイベントを成立させるためとはいえかなり無理矢理すぎである。 終盤ではとある参加者たちが「お互いのカードをシャッフルし合わないか?」と持ち掛けてくるイベントが発生し、実行すると所持しているカードの種類や枚数が変わるのだが、実際はそのカードの内訳が一種類しかないために全然シャッフルになっておらず後の終盤でのイベントに活かせていない。 ルート分岐にもよるが終盤でのイベントはほぼ強制的でシャッフルイベントで内訳が固定されたカードを使うことを前提に組まれているために自由度が低い。しかも対戦相手の仕掛けた罠に嵌まるかギリギリで回避するか、という展開になるのがほとんどなので逆に相手を倒すというような展開にはならない。(*14) エンディングは大まかに分けてゲームオーバー(別室行き)か、借金をチャラには出来なかったものの船から生還するエンド、大勝して黒服に拍手で迎えられるエンドの三通り。(*15)ストーリー内で様々なルートがあるのにもかかわらずエンディングがこれだけでは少し物足りない。主人公の善悪度を評価するシステムや関わったキャラクターなど、様々なエンディングを作る材料はあるのだが…。 ただし、ある人物とのイベントの結果次第では追加のエピローグが発生する(後述)。 原作では主催者側が余った星を400万で買い取りするという設定があり、ゲーム中でも情報として聞くことができるのだが、実際はどれだけ星を大量に所持して上がったとしても買い取ってくれない。このため、星を売りたい場合は売買タイムに必ず参加しなければならなくなっている。(*16) その売買タイムでも100万や200万程度、高くても300万か400万の額で星を売るハメになる。これによって計算が狂い、赤字から抜け出せなくなったプレイヤーも多いだろう(*17)。 それ故、星が四つ以上ある状態でも売買タイムまで待たずに清算して金利額を抑えてゲームから降りるという戦略も存在する。時間を大きく余らせた状態でカードを使い切ったのなら有効な手段となる。 売買タイムにはいくつかの矛盾点があり、作り込みの甘さが露呈してしまっている。 例として星を売る側の参加者であるが、ルート分岐によっては終盤で戦うこともできる人物に勝つと星3つになってそのまま上がっていくのだが、何故か売買タイムには星4つ以上になって復帰している者がいる。 売買タイムではさすがに別室行きになった人物こそ登場しないが、カード0、星3つ未満でまだ生存が確定しているのに売買タイムに姿を現さない人物が非常に多い。特に主人公と勝負をして負けた人物が「売買タイムに賭ける」とはっきり言っているにもかかわらず出てこないのは不自然。 また、一部の星を買う人物は売買タイム前に主人公との対戦によって別室行きになる場合があるが、そうなると星を買う人間が少なくなってしまうことになり、主催者にも星を売れないためその人物と対戦して勝つと結果的には損をしてしまうことになってしまう。 このために売買タイムで星を買う人物が少なくなるために上記のように赤字になったり、星を余裕すぎるほど多く持っていても売る相手がいなくなってしまって結果的に売れ残ってしまい、宝の持ち腐れになってしまう。上記のように主催者側が買い取ってもくれないので尚更である。 その他の問題点 主人公の方から自由に行動することがあまりできない。他者へ話しかけたり、勝負を挑んだりすることはできても、カードの売買を持ちかける等、自分から提案するような形で進めることはできない。(*18)イベントが発生しても基本的に受け身で、行動が強制されてしまう。 主人公を動かす操作性にクセがあり、馴れないと参加者に中々話しかけられない(*19)。その他にもシステム等について不親切な点が結構ある。そのため初見時のプレイこそが楽しめるゲームにもかかわらず、わけがわからないままゲームが進んでしまい、アイテムを所持していることに気が付かなかったり、売買タイムを飛ばしてしまったりというやりきれない事態も多々ある。 全体的に動作が重い。特に勝負時のカードをセットし、オープンする際の演出はかなり遅い。勝つか負けるという状況でカードがゆっくり裏返されるのは「ミリオネア」的な演出だと解釈でき、ある意味では絶妙な表現と評価できるが、流石に周回プレイをするとなると少しストレスを感じる。 しっかりテストプレイをしていないようで普通にゲームを進めることしか前提にしていないのか、変則的なプレイをするとその後の展開がおかしくなってしまったり上記にあるようなゲーム中での矛盾が発生するなど作り込みが甘い点が散見される。 例として、ゲーム開始直後は必ず船井とのイベント勝負とカイジのイベントが発生するのだが、何もせずにその場で時間を浪費すると強制的に最終章へと移行する。そうするとまだ顔を合わせていないのにもかかわらず、船井やその後のイベントで会える人物達と何故かもう対面したことがあるという状況になってしまっている。 さらに最初の船井とのイベント勝負をこなさずにタイムロスで最終章に移行した場合、所持しているカードの残数に対して対戦相手が足りないため、 カードを使い切ることが出来ずゲームオーバーが確定 してしまう。 また、強引にイベントを飛ばしてキャンセルしているためか他にも不具合が生じており、通常はゲーム開始後に無くなる軍資金の山が会場内に堂々と残されたままになっているシュールな光景が拝めてしまう。 上記のように初心者のプレイヤーを明確に殺そうとしている構成による弊害なのか、一部の対戦では主人公が対戦相手の策にハメられて負けることのみしか前提にしていないような不自然なイベントや対戦がある。 例として上記の「カード破棄が芝居だった」というルートでは主人公が敵の策にハマって最後の最後で負けてしまい、黒幕に馬鹿にされてしまうという展開になる。しかし、分岐次第では引き分けに持ち込むことも可能なのだが、そのパターンでも勝負後の会話が負けた時とほぼ同じ展開になっており、会話が不自然なものとなってしまっている。 同様に中盤では情報屋から手に入れたある対戦相手と勝負をし、罠にハマって負けた場合と逆に見破って勝利した会話パターンがあるが、引き分けになった場合は対戦後の会話すら起きずにそのまま終了してしまう。 なお、この対戦による引き分けはイベント自体を用意していないのか、フラグの設定もされておらずこの相手とは何度でも対戦することができてしまうばかりか、カードを既に使ったにもかかわらず主人公側の情報が対戦前のままになってしまっており、やはり不自然な展開になってしまう。 作中である人物の頼みを聞くと、エンディングが微妙に変化する。が、変化したエンディングは一部のプレイヤーに殺意と後悔を抱かせる(*20)。 + ネタバレ ある人物とは「桑島涼子」という、ゲームオリジナルの人物。アイドルなのだが色々あってエスポワール号に乗せられ、限定ジャンケンをする羽目になってしまった。 実力も低く、プレイヤーが話しかけたときの状況は「星1つ、カード1枚」という悲惨さだった。 涼子はプレイヤーに「星2つと現金を掛けた勝負をしてわざと負けてもらう代わりに、自分の身体を売り渡す」という約束を取り付け、プレイヤーが要求通りにわざと負けると無事生還を果たす。 が、その後涼子は約束を守る気もなく男と共に何処かへトンズラしてしまう。 こう聞くと完全に損するだけのマイナスイベントに思えるが、涼子を助けると後の展開で条件を満たすとある人物が「女の権利と引き換えに星二つくれてやる」と取引を持ちかけてくる。このイベントに関しても実は伏線が張られていて、涼子に星を渡すムービーでその人物がこちらのやり取りをうかがっている姿が一瞬映る。この辺の作りこみは脱帽である。 ボイスは一部のムービーで叫び声や笑い声といった形で挿入されるが、ほとんどSEと言っていいほど僅かな量。グラフィックもPSというハードの性能を考えてもチープ。 ちなみにムービーでは黒服以外のほとんどの人物の顔が何故か首から上が映らないことが多く、せいぜい後ろ側からか口元のアップでしか映らないようになっている。稀に映ることがあっても演出で顔がぼやけたり、影になったりするなどしてやはりはっきりとは映らない。 評価点 ストーリーは中々練られている。全体的な整合性や星の増減バランスはイマイチだが、個々のイベントでの伏線の張り方や回収等はきちんとできている。 「共闘した相手が裏切る」等ありがちな展開でも、裏切りを予測するための材料、裏切りを見抜いて出し抜くためのトリックがちゃんと作られている。中には前述のようなトンデモネタもあるが、全体的に見れば中々凝っている。 「俺はこの勝負、グーを出す」と宣言するという小学生かと言いたくなるような参加者もいれば、カードをわざと落として相手に見せつけた上で裏をかくなど、一ひねりある戦術を使うものもいる。 中には原作のカイジが船井にやったような別室行き覚悟で主人公を沈めに来る人物までいる。全財産を奪われかねない危険なイベントである。 相手の策にハマった際には悔しさに唸らせられるし、見事に策を看破して勝利した際にはさながら『カイジ』や『銀と金』のような爽快感、ヒリつき、勝負の熱、悪い喜びが味わえる。 キャラクターにも個性がある。 原作でいう北見やバランス理論の男のようにしっかりとした戦略を持って勝負に臨む者もいれば、戦場にいるという自覚がない能天気でカモになる奴もいる。そのようなフリをして虎視眈々と罠を張る者もいて油断できない。 仕掛けてくる罠も十人十色でしっかり作りこまれていて、実はこれらの人物がグルだった等の仕掛けはそうだったのかと唸らされる。参加者から得られる情報もかなり細かく設定されている。 デザインが流用されていないオリジナルのキャラも、カイジの世界観に馴染みつつ目立っている。中には酒を飲んでいる酔っ払いやカタコトの外国人の他、主人公をちゃんづけで呼ぶスキンヘッドのオネエ系オカマ(*21)等もいて、かなりの存在感がある。 原作では(一部のコマにモブとしてそれっぽい姿があるものの)女性の参加者を描写していなかったが、本作には明確な女性参加者も少ないながらもいる。そのうち一人は終盤のあるルートで主人公と共に戦うことになるなど、シナリオにも関わってくる。 「オリジナルの主人公がいる作品」では元々の主人公の存在感が薄くなりがちだが、この作品においてカイジとの絡みは必須イベント(*22)となっている。共闘することもできれば、敵対することもできる。 カイジとの共闘ルートは複数のパターンがあり、カイジが自分の失態をカバーしてくれる展開になることもあれば、カイジを助ける展開にもなる。カイジが裏切っているのではと主人公が疑う展開にもなりうる。 仲間に裏切られて絶望的な状況に陥ったカイジが主人公と手を組み、裏切った相手、そして裏で糸を引いていた船井に最後の戦いを挑むという、原作ファン鳥肌ものの展開も存在する。 クリアしてもリピーターとして船に乗ることができる。周回プレイによってイベントが変化することもあり、ストーリーも行動によって大きく変化するため、飽きさせない作りになっている。 遊べるのが限定ジャンケンのみとはいえ、ボリュームがないわけではない。全てのイベントやルートを見ようと思うのならフラグや分岐条件を調べることになり、量はそれなりに多く一種のやり込みにもなる。 随所で入るムービーの出来は当時としてはかなり頑張っている。 「ここは戦場……。」「そのとき、電流走る……!」「渡らせて下さい……このか細い橋………。」「気がつけば泥沼……腰までぬかるみに嵌っている……。」などの福本作品にあった表現が再現されている。演出としての使いどころもいい。 イベント時の自由度は縛られてしまうが、プレイを通しての自由度は高い。全てはプレイヤーの腕と性格次第。 情を捨てきれなくても生き残れるし、徹底して実利に拘って釜の底を浅ましく醜く這いまわる生き方もできる。星を20個近く手に入れるような神域の如きプレイも可能だし、自らが大勝しつつも売買タイムで星を売り、人を救ってさらに儲ける巨悪に駆け上がることも可能。 周回プレイ時にはオープニングをスキップできる他、理論構築が最初から揃っているなど、意外と親切な仕様もある。 テキストを読み進めるゲームながら早送り機能やバックログ機能は無い。というよりは、あえて付けていないと思われる。 性質上、カンニング防止&テキストの見落とし防止(*23)のため仕方ない点ではある。一度手に入れた情報は簡潔にまとめられていつでも閲覧できるため、問題にはならない。 BGMは数が少ないが中々雰囲気に合っている。いかにも胡散臭い船井のテーマ、別室送り時の絶望感溢れるピアノ、スタッフロールのギターなどは印象的である。 総評 良くも悪くも原作のif話として、限定ジャンケンをしっかり再現している。別室送りのムービーやあらゆる福本作品から流用されたキャラクター等、笑える要素もある。 練られたストーリーや作り込みの細かさ等の光る部分も十分にある。カイジのキャラゲーとして見ると残念な点が多いが、少なくとも凡百のキャラゲーとは一線を画している。もう少し全体的なストーリー性や星の増減バランス等、作り込みをしていれば、一味違うキャラゲーの名作になれたであろう。 トリック自体は練られているものの、バランスの悪さ、不親切なシステム、人を選ぶ点によって原作のような高度な心理戦や、能動的に頭を使う頭脳ゲームとしての要素を楽しめるプレイヤーは少数であろう。ゲームの本質としては「人と話して戦術を集め、また人と話してフラグを立て物語を進めていく」というアドベンチャーゲームに近い内容である。そういうものと割りきって、世界観・雰囲気に浸ることを楽しむべきゲームだろう。 原作読者なら誰もが考えるであろう「もし自分があの船に乗ったら……?」を体験できる(ような気分になれる)という意味で、ファンならそこそこ楽しめるかも知れない。 はっきり言って難易度は高い。 高難易度のゲームや心理戦が好きなプレイヤーなら楽しめるが、苦手な人はまったく楽しめないであろう。楽しむには攻略情報を見ず、常に気を抜かず、相手との駆け引きに熟考してプレイしよう。特にカイジ並の洞察力がある、という人は是非。 余談 上記の通り、本作のカジノでは「チンチロリン」を(イカサマダイスの使用も可能で)遊ぶことができるが、後に原作でも『賭博破戒録カイジ』で、カイジが挑戦するギャンブルとしてチンチロリンが登場した。 ただし、原作が地下の強制労働施設(かつ主催者がイカサマ)という特殊な環境で行われていたため「親の目にかかわらず子も振る」「親は二回まで」「ピンゾロ(全部1の目)は5倍」などのローカルルールが設けられたのに対し、本作のチンチロリンは広く知られた通常のルールでピンゾロ5倍も存在しない。 原作において利根川はルール説明後に参加者からのヤジに対して豹変し「Fxxx You ブチ殺すぞ・・・ゴミめら・・・!」と参加者を脅しつけるシーンがあったが、本作では「これで説明を終わります」の後、 本当にそのまま終わってしまう ので少し呆気ない。 没データの中には明らかにそのイベントで使われると思しき利根川が激怒する絵が存在しており、参加者の台詞にも「利根川の演説に感動したクチか?」「利根川のヤロウ、クセエ演説しやがる」というものがあるため、入れる予定だった、もしくは元々あったが削除したという事情が窺える。 原作における表記では伏せ字はナシ。恐らくゲームとしては、伏せている部分がアウツだったのもあったのだろう。後年のアニメ版ではFxxx Youの部分は「黙れ!」と改変されたものの、それ以外の部分はちゃんと表現されている。実写映画版や外伝アニメのトネガワでは原作通りの発言となっている。 ここまで読めばわかると思うが、賭博や喫煙、暴力の他、直接的ではないにせよ臓器売買や売春などの描写を含んでいるかなり危ないゲームである。色々と大丈夫だったのだろうか。 まあ、これらもほぼ全て原作の要素を再現したものなのだから仕方はないだろうが。 当時はCEROが存在しなかったため、本作にはレーティングがつけられていない。今出たら確実にCかD以上が付くだろう。 アイテムとして使用できる他、主人公はムービーの中でもタバコを吸う。タバコを吸えるゲームは結構珍しい。他にタバコがアイテムとして使用できるゲームと言えばこれとかこれとか…どこかしら変なゲームが多いのは気のせいだろうか? その後カイジのゲームはなかなか出なかったが、2008年にニンテンドーDSで『逆境無頼カイジ Death or Survival』が発売された。しかしその出来は……。 2017年にはPS4とSwitchで『カイジVR~絶望の鉄骨渡り~』が配信された。
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逆境無頼カイジ (全26話終了) 01 出航 02 火蓋 03 勝負 04 破綻 05 決死 06 興亡 07 喝破 08 鉄槌 09 回生 10 使者 11 狂宴 12 転落 13 怪物 14 亡霊 15 天空 16 怒髪 17 会話 18 翻弄 19 限界 20 鬼神 21 心血 22 執行 23 邪道 24 条件 25 蒼白 26 残光
https://w.atwiki.jp/mahjong_comic/pages/523.html
賭博堕天録カイジ 作画 福本伸行 掲載誌 ヤングマガジン?2004年28号~2008年8号 話数 全131話 あらすじ 裏カジノでのパチンコ大決戦に勝利したカイジだが、手元には金がほとんど残らず、大決戦で手を組んだ坂崎の家に居候していた。ここも居づらくなってきたとき、地下の強制労働施設から救ってやった二人が訪ねてきた。彼らは今、ある裏カジノで働いているが、そこの社長のイカサマ賭博に付き合わされ、スッテンテンになってしまった。カイジにその仇討ちをしてほしいというのだ。(講談社コミックプラス1巻書籍詳細ページより) 単行本 レーベル名 出版社 版型 巻数 奥付 Amazon ヤンマガKC 講談社 B6 全13巻 1巻・2004年11月5日初版、13巻・2008年4月4日初版 備考 全編通しておこなわれるのは変則二人麻雀「17歩」。 『賭博黙示録カイジ』『賭博破戒録カイジ』の続編。さらに続編として『賭博堕天録カイジ 和也編』がある(いずれもギャンブル漫画だが麻雀は出てこない)。 00年代 ヤングマガジン ヤンマガKC 福本伸行